そもそも 白子筍ってなに?

京都辻農園 白子京筍『石清水』完全予約販売品です。

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また、一般回線ですので、放送終了後は電話は繋がりにくくなりご迷惑をおかけします。

極力、メール又はFAX(075-950-8872)でのお問い合わせをお願い致します。


★京都辻農園 白子京筍 石清水 ってどんなたけのこ?

まず、世の中に出回っている「たけのこ」は大きく分けると「筍」と「竹の子」に分けられます。

えっ!? 「筍」と「竹の子」は違う物なの?

「竹の子」と「筍」は植物的には同じものですが、状態が違うため、食材としての扱いが全く別物であることから、区別するために古来、字による使い分けがされるようになりました。(現在は使い方が混在してしまっており、JAS法などで正確に規定されているわけでもないために、本来の意味は忘れられつつあります。)

 

例えば、極端な例でお話すれば、「大根の根」と「大根の葉」はどちらも同じ「だいこん」という植物ですが、部位が違えば扱いも調理法も全く異なりますよね?「竹の子」と「筍」もこれに匹敵するほどの差が存在します。

 

「たけのこ」と言えば、イメージするのは上の写真のように地面にポッコリと現した三角な姿ではないでしょうか?

一般的にお店で売られているほとんどの「たけのこ」はこんな感じの物だと思われます。収穫も鍬(クワ)と言われる系統の農具を用いて刈り取る感じです。「たけのこ掘り」というよりは、「たけのこ狩り」という方が状況に合っています。

 

「たけのこ」はすさまじい成長力を持った植物で、実に1日に1.5m伸びたりもします。しかし、その新芽は膨らみ始めるのは前の年の8月。実に半年以上の時をかけてゆっくりゆっくりと新芽を膨らませるのです。その新芽はある瞬間を境に、上記のようなすさまじい成長を始めます。その急激な伸びが始まる瞬間は筍の先が地面に顔を出し、陽の光を感じた瞬間なのです。

太陽の光を受け(電器の光でも構いません)スイッチが入るとロケットエンジンの点火のように一気に伸長が始まります。

つまり日を浴びると「竹化が始まる」

のです。

白い玉ねぎから芽が出て日に当たれば緑色の芽が伸びていくように、

日を当てなければ白いままのホワイトアスパラが日に当たると本来の緑色のアスパラになっていくように、

新芽の間、白かった「たけのこ」は日が当たれば、上の写真のように皮の先のとんがった葉の部分は緑色に、

皮は黒に、根元の身も下から順番に竹化(伸長)が進み緑色に変化をし、体を支える為に硬くなっていきます。

また、地上に姿を見せればシカなどの獣に食べられる危険が出るので、防衛本能で地上に出れば、シュウ酸という「えぐみ」成分を全身に(特に表面の皮に)送り込みます。というか、進化の過程でそういう個体ほど食べられずに残ったので

よりえぐみのあるたけのこが生き残った

 

というわけです。このことから、

たけのこは「地面に頭を出したら竹」

 

というように分類されるのです。しかし、数十mに大きく成長した「大人の竹」に比べれば、まだまだ「成長途中の子供」なわけですからこの状態の姿のこと、つまり

地上に姿を現した、たけのこは「竹の子」と書く

 

ようになりました。

 

では、それに比べ、地上に頭を出していない状態から掘り出された、上の写真のようなたけのこは?何と呼べばよいのでしょう?結論から言えば、

地上に姿を見せていない、たけのこは「筍」と書く

 のですが、この字は実は「漢字ではありません」。中国には土の中に埋まったままのたけのこを表す言葉は無いのです。

なぜか?

「筍」は天然にはほぼ存在しない

為です。つまり「筍」は「農業」という人為的な作業(栽培)によってはじめて創り出されたもので、その栽培法が確立された京都でこの字は作られました。(なぜ「竹冠」に「旬」と書くのかは後ほど説明します。)

 

「天然には存在しない筍ができる様子」は、ホワイトアスパラが天然には存在しないのに作れるのと同じことで、日に当たらなければ、「アスパラ」も「もやし」も「筍」も白いままのスプラウト(新芽)のままとして、どれも「いざ日を浴びた時に成長するための栄養分を豊富に蓄えた存在」であり、そのすぐに使えるロケットエンジンの燃料のように蓄えられた養分こそが「糖」であり、食べてすぐに感じる甘さを生み出すのです。

逆に日を浴びた瞬間からそれらの栄養分を消費し、人に「劣化」と呼ばれてしまう、本来のあるべき成長をスタートさせてしまい、味を変えていきます。これら「アスパラ」「もやし」「筍」という人為的な食材が全て「鮮度・スピードが命」、「足の速い食材」と言われてしまうのはこの為です。時間が経つと、輸送中などでも「ホワイトアスパラは徐々にグリーンアスパラへの変化を」、「筍は竹の子への変化を」進めていき、より良い食材としての価値を損ね、共に

陽を浴びてから時間が経てば

旨味・甘みが減って、苦み・えぐみが増える

繊維は筋張ってきて、身は硬くなっていく

つまり、「農業的栽培により人為的に柔らかく育てられた食材」にとって、陽を浴びて本来の成長を始めてしまうと

我々人間が、より良い食材に求めて作り上げてきたものを、ことごとく壊していくのです。

(「自然に戻る」のですから、当たり前かもしれませんが、それでは高級食材を買ったのに勿体ないですよね)

ですから、これらの食材はその良さを止める為、

一刻も早く成長を止めなければなりません

その方法は2つ、一つは簡単な方法として、火入れをして成長を促す酵素の働きを失活させること。

但しこれは、アク抜きではありませんから長時間茹でる必要はなく(むしろ味が抜けるので長時間茹でてはいけません)

芯温が70℃、2分間で十分

つまり大きな塊を茹でるとしても10分~20分もあれば十分でしょう。そして、もう一つは

冷凍状態で酵素の働きを止める

ことです。但し前者の火入れでは冷ましても酵素は死滅していますが、低温の場合は「一時的に眠らせているだけ」なので、低温から元の温度に戻した場合には酵素はその働きを復活させるので、注意が必要です。また冷凍保存温度によっても、より低温の方が酵素の働きを止めることができる為、弊社ではマイナス60℃保存を行っております。コロナワクチンと同様で、マイナス60℃ならほぼ完全に酵素の活動がストップし丸一年以上保存しても収穫直後の状態を保存し続けられるのです。

 

ここまでをまとめると、上図のようになります。

地上に姿を見せたら、「竹の子」

地下に完全に埋まっていたら、「筍」 

なぜ「筍」は天然にはほぼ存在しないのか? 

 

そのカギは、筍を生み出す地下の存在、親竹から伸びた地下茎にあります。竹の地下茎は細い竹のような姿・構造をしており竹と同様に定期的に節があります。竹の地下茎自体は根ではありませんから、地中を深くに潜っていくと言う事はありません。でも節から本当の根が生えてくるので、完全に地上むき出しのままでもいけません。まるでバタフライのように地表のすぐ下あたりで、「地上に上がっては潜り上がっては潜り」と本当に浅いところを這うように伸びていきます。新しい地下茎は、めったに10cmよりも深くに潜ることなどありません。ですからたけのこは天然ではすぐに地表に顔を出し、「竹の子」になってしまうのです。また手入れをしていない天然の土壌の場合、仮に10cm程の筍が埋まっていたとしても、頭を出すまではどこにあるかが分からず、結局頭を出して竹の子になってからしか発見できないのです。

ではどうやって「筍」を育て発見するのか? 

 我々筍職人は、  

「筍」を作っているというよりは  

筍ができる環境」を作っている 

と言った方が良いのかもしれません。「たけのこ」は植えるものではないので、自然に生える「竹の子」と何ら変わらずに勝手に生えてきてくれます。あとはその「たけのこ」が「筍」になるか、「竹の子」になるかは環境次第なのです。ですから我々はその環境、つまり地下茎の上の空間を作っていきます。具体的には

地下茎の上に毎年「地層を積み上げていく」 

のです。結構気が遠くなる作業です。毎年、竹藪全体に、お米の籾についていて取り除いた「もみ殻」、近くの山々で採集した落ち葉、植木屋さんから頂いたり買ったりする植木を選定した後のガラ、竹藪で古い親竹を伐採した竹を細かく粉砕した「竹チップ」、肥料となる油粕や魚粕などを幾重にも撒き重ね、その上に田んぼから引き揚げてきた、藁(わら)を敷き詰め、最後の最後に毎年籔全体を新しい土でコーティングしていくのです。広大な籔全体にです。物凄い重労働で、最近ではほとんどの方が大型のエンジン付き運搬車によって大量の土を乗せて、土を藪中に運ばれます。

しかし、そんなことをしては藪を踏みしめて、土を硬くしてしまい、そこに生える筍も固くなってしまうので、当家ではそのようなことは絶対に致しません。人力で、一人一人が運べる量、少しずつの土を一輪車に積み、歩いて1杯1杯・・・ちまちま・・ちまちま・・と運んでいき、手作業で広げていきます。一輪車の通り道もできるだけ踏みしめないように、幅の広い板を敷いた上を通り、またその道も小まめに変えてとにかく踏みしめないようにします。とにかくふんわりフワフワの地層を藪中に創り出し、柔らかい筍が育つ環境を整えます。そして藪中を土でコーティングするという重労働の最大の意味が何かというと

地下の「筍を発見する手がかり」 

 

作りです。筍づくりに適した土壌は粘土質。砂ではダメなのです。なぜか?粘土質は雨が降ると土が固まります。一見、固まったらダメみたいですよね?でもこの籔全体をコーティングした粘土層は柔らかい藁やその他のふわふわの敷物の上に乗った薄い層なのです。まるで、アイスの上に溶かしたチョコレートをたらして固めたような層。一旦しっかりと固まって、籔全体が「ひと塊の薄い板」のようになります。やがてその地下で事件が起きます。たけのこの新芽が大きく膨らんでくるのです。すると地面がかすかに盛り上がってきます。そんな盛り上がりは通常なら肉眼でわからない程度。しかし一旦ぱきぱきに固まったチョコレートのような薄い堅い層の下で、若干なりとも盛り上がりができると、その固まった層にほんの少しの亀裂が走ります。我々職人は

地表の亀裂を探して藪中を回る 

 

 のです。子供の頃は、なぜ父はこの下に「筍」があることがわかるんだろう?って良く思いましたが、今は私も子供たちに「なんでわかるの?」って言われておりますので、まあ職人としての経験なのでしょうね。時に亀裂の幅は1ミリにも満たないもので、それでもここにある気がすると掘り返すと、いくら掘っても出てこない。あれあれ、間違えたかな?と諦めかけた頃に地表から20~30cmもの深さの場所に、やっと筍の頭の先を発見するといったようなことは日常茶飯事です。つまり上記の気が遠くなるような手入れのおかげで、そんなに深いところにある筍の存在をいくらでも発見できるようになるのです。まさに先人の知恵!感謝の極みです。そしてこの気の遠くなる作業を1回やればそれでいいと言う物ではありません。1年経って柔らかい敷物たちが大方腐り腐葉土と化していくと、結局1年間で積み重ねられる地層の厚みは2~3cm程度にしかなりません。数十cmの大きさの筍が出る環境を作ろうと思ったら、何十年と作業をし続けなくてはなりません。ましてや当家の最大1mクラスの超特大極上品ともなると

 

半世紀近い年月の努力の積み重ね 

によってしか得られないのです。

上の写真は藪の一部を切り開いた際の写真です。私の膝(ひざ)あたりに生きた地下茎があります。この藪は私が小学生の時に、当時我が家が代々作り続けていた竹藪が町の新しい高校の用地にかかってしまい、泣く泣く立ち退きを迫られた際に代わりの土地としてあてがわれた山林で、少し掘ればすぐに固い地層にあたる原生のままの土地でした。私の膝の横の地下茎から少し下の地層を見てもらうと生き物感の何もない堅い地層がご覧頂けるかと思います。つまりこれが40数年間の手入れの結果の地層で、当時の地下茎を大事に守り続けながら手入れを続けた証しでもあります。ですので、この藪では藪中いたるところで、私の膝から脇までクラスの大きさの筍が出てくれるわけです。

(下の写真のような大きさの筍が全て地中に埋まっているという環境を、藪中で守り続けらえていることが京都辻農園の良質な白子筍を量産している所以でもあります)

 

  ・・・まだまだこだわりは続きますが、今回はこれにて

京都辻農園 白子京筍『石清水』価格は品質や大きさ等で異なりますです。

白子筍は大きければ大きいほど甘く美味しいのですが、より希少で高価になります)

商品の1㎏あたりの単価は、その内容によって、数千円~数万円まで、実に様々。

その為、簡単にはWEB販売で書けないために、お問い合わせの後の販売とさせて頂いております。

お手数をおかけしますがお許しください。

品質(グレード)も『白子筍』『上白子筍』『特上白子筍』『極上白子筍』とございます。

中でも、生でも十分に美味しく食べられる『特上白子筍』『極上白子筍』クラスは特に希少で

高価になります。

価格は「㎏単価」と「重さ」のかけ合わせで決まりますが、本当に簡単な目安として

1本1㎏のもので1万円前後を目安に

お考え頂き、それに比べて小さくなれば「単価も」「重さも」両方が低価になるので飛躍的に低価に、

逆に大きくなれば「単価も」「重さも」両方が高価になるので飛躍的に高価になるというわけです。

 

概ね直送で、販売しておりますので、店舗販売はほぼ行っておりません。

収穫した筍は「料理店さま」や「卸さま」「店舗様」が直接 竹籔まで

取りに来て下さり、発送注文分も多くは竹藪で組んで、帰宅前に宅配に出しに行きますので

弊社に持ち帰る筍はほとんどなく、突然来て頂いても前もってお声がけ頂いた品以外の

取り置きが無いのが常です。お越しになられる際にはぜひ前もってご確認&お声がけ下さい。

 

地元付近で現在、唯一レギュラーで店舗販売して頂いているのは、

地元スーパーの TOP WORLD くずは店 のみ です。

お近くの方はお店にてお買い上げ頂ければと思います。

 

この度、 

京都辻農園 白子京筍『石清水』& 食味鑑定米『石清水』

食べられるお店 買えるお店 情報

をまとめてみました。店舗様の掲載可能確認が取れていない店舗も

まだまだございますが、一応の参考にはなるかと存じますので、どうぞご参照ください。