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こだわり③ 刈り旬を見据えたゆったり田植え

③-① 刈り旬を見据えたゆったり田植え

 前回、こだわり②で『余裕の刈取り』は、『食味向上』にはいいことずくめなのだというお話をさせて頂きました。続いてこの『余裕の刈取り』を本当の意味で可能にした『こだわり③ ゆったり田植え』についてご説明させて頂きたいと思います。

 

『こだわり①②』で紹介したとおり、刈り旬を集中させるかどうかを左右するのは

 

『田植えのタイミング』

 

です。世間の『食味向上に向けてはあまり良くない効率化』の代表、『短期集中した田植え』ではより良い収穫をむかえられません。

 そこで当家が実施している大切な取り組みは

 

『ゆったり田植え』

 

です。

 

 こだわり①でも書きましたが当家の作付け面積なら、他家は大抵3日間で植えてしまいます。しかし当家は3週間ほどかけて少しずつ植えます。しかもその日程にもこだわりがあり、田植えは『3日に1度』しか行いません。この『3日に1度』は農薬使用量の減少にも繋がる非常に重要なこだわりで、『こだわり④』にも繋がります(詳しくは後ほど)。

 

 突然ですが、夏は植物はよく伸びますよね?雑草もあっという間に伸びますよね?田植えを長引かせると、後に植えるものほど夏に近づいていきます。そうです、成長が早いのです。

 

 問題はどのくらい早いのか?長年データを取り続けて当家の地域で当家の栽培品種の場合、3日遅れで植えた稲は8月後半から9月初頭に1日遅れで花が咲くのです。

 

 夏ってすごいですよね?すごい勢いで追いつきます。

 しかしよく考えて下さい。ということは3日間で全ての田んぼを植えた人はどうなりますか?

わずか1日差程度の間に全ての稲の開花時期が集中してしまうのです。

 

 ただ夏の偉大さは、逆に秋に向けても発揮されます。開花時期が早いとより温かい時期に熟していけますので登熟が早まり、逆に開花時期が遅いとより涼しい時期に熟していきますので、登熟に時間がかかり登熟期が遅れます。

 

 どのくらい遅くなるのか?1日遅れで開花したものは、当家の地域で当家の栽培品種の場合、およそ2日遅れで登熟していきます。とても繊細で微妙な話なのです。

 ですから

 

3日間で全ての田んぼを植えた人は?考えただけでも恐ろしい現実が!

 

 わずか2日差程度の日程で全ての田が登熟をむかえます。稲刈り時期はかなり気温も下がってきていますので、進みも遅いですし、許容範囲を前後2~3日ずつ見積もったとしても1週間以内で全ての稲刈りを完了せねばなりません。一日の刈取り量が増え、刈取りに時間がかかり、乾燥にかけられる時間も短くなり、短時間強烈乾燥を余儀なくされるというわけです。

 

 当家の『3日に1度』の田植えはおおよそ2~3日で刈取れる面積ずつを想定し植えていきます。『3日に1度』植えた稲たちはおおよそ『1日ごとに開花』し、おおよそ『2日ごとに登熟』をむかえる、つまり『3週間』かけて植えた稲たちはおおよそ『1週間』で順に開花し、おおよそ『2週間』の間に順に登熟期をむかえるという流れです。天候その他で少しの前後や秋の低温による許容範囲を前後2~3日と見積もれば刈取り期間はおおよそ3週間となり、20数枚の田を

 

『一日一枚刈り』

 

で適期刈り取りを実施するということが可能になるわけです。

 

じゃあみんなはどうして、そんなに急いで植えないといけないの?

 

 次回からはその理由と、そこから生まれた当家のこだわり④『生き物との共存を考えた田植え前作業』についてお話しさせていただきたいと思います。

 

皆様の御支援のおかげで

2018年はとても良い年でした

2019年も精進致しますので

どうぞよろしくお願い申し上げます

 

★稲作用語★ 米粒用語

『籾』(もみ)… お米の周りにまだ硬いからがついた状態の粒のことです。

『籾殻』(もみがら)…籾の周りの「から」の部分のことです。

『玄米』(げんまい)…籾から籾殻を取り除いた状態の米粒のことです。

『精米』(せいまい)…玄米の周りにある薄皮部や胚芽などを取り除く作業のことです。

『糠』(ぬか)…玄米(本当は穀物全般)を精米した際に取り除かれて出てきた、薄皮や胚芽の粉。

『白米』(はくまい)…玄米を精米し、糠や胚芽が取り除かれた白い米粒のことです。

     精米して出来た白米のことを、単に『精米』又は『精白米』と呼ぶこともあります。

『穂(稲穂)』(ほ/いなほ)…稲の花が咲き(そのうち写真で紹介します)

    その後『籾』になったものが房のようにいくつも連なって付いているものです。

 

 ブドウ(巨峰のような)と比べてみると、『房』→『稲穂』、『一粒』→『籾』、『外の皮』→『籾殻』、『皮をむいた中身』(果肉の周りに紫っぽい部分がついている)→『玄米』、『果肉の内側』(薄緑の部分)→『白米』といった感じです。あくまでも個人的イメージです。

★稲作用語★ 農作業用語 その他

刈り旬』(かりしゅん)… ちょうど良い刈り頃のことです。

『刈り遅れ』(かりおくれ)…「刈り旬」を逃して刈る時期が遅れてしまった状態のことです。

登熟』(とうじゅく)…本来しっかりと熟した「完熟」に向け熟していく過程のことですが、「完熟した状態」を「しっかり登熟した状態」のように、完熟と同義語的ニュアンスで使用することもあります。