★今週の新着情報★

こだわり④ 生き物との共存を考えた田植え前作業

④-③ 「トラクター」の工夫

なかなか、当家と同じような作業方法がスタンダードにならないのは、実際にこれを限られた通常の機材で実施すれば、とてつもない手間がかかるからなのです。

 

 まず『施肥』『代掻き』は共にトラクターを使用するとはいえ、実際に作業をする作業機部分を付け替えたり、爪の向きを変えるため爪をつけ変えたりとちょっとやそっとの手間では実現できません。

 そこで当家ではトラクター2台をそれぞれの専用機として用意して作業に当たり、さらに『爪の向きを変える爪のつけ変え作業』もこの忙しいタイミングではやっていられないので、交換用の向きを変えた作業機をもう一つ準備し、作業機ごと交換して使用しています。(かつてはトラクター3台で実施していました。当家の規模なら通常他家は1台で実施されています)

 

 さらに『代掻き』に時間がかかり過ぎるとこのペースが維持しきれないので、『代掻きのみ』の専用作業機を世間で普及するかなり前から使用しています。しかも当家で使用しているトラクターは小さなトラクターなのですが、そこに3グレードほど大きいトラクター用の作業機を(メーカーには保証しませんよと言われながら)取り付けて使っています。これは時間短縮のためだけではありません。大きなトラクターは田んぼを荒らすのです。だからあえて小さなトラクターを使っています。通常大きな作業機を動かすには大きな馬力が必要です。しかし『代掻き』は比較的少ない馬力で大きな作業機を動かすことが可能なのです。おかげで、同じ馬力の通常のトラクターで『代掻き』をする倍以上のスピードで、格段に美しく作業ができます。地元では皆に賞賛して頂いているこの美しい『代掻き』は、実はこの後の田んぼに稲が植わっている間ずっと重要になってきます。

 

 そして、みんなにとって最大の難関が『苗の準備』です。これが克服できないから、『短期集中田植え』という『諸悪の根源』に打ち勝てなくなるのです。しかし農家の担い手が少なくなっている昨今、苗の準備という人手が多く必要な作業はまとめて集中して一気に仕上げてしまいたい。この気持ちは分からないではないのですが、やはり一日で用意した苗で3週間分の田植えの全てをまかなうことはできません。当家では苗の準備を2回に分けて行っています。通常の苗作りでは2回に分けても3週間分の田植えの全てをまかなうことは難しくなります。苗がひねてしまい、窮屈さで大きく長く伸び過ぎ、それでいてモヤシのように痩せたひょろ長い苗になってしまうのです。それを解消するのが次の『こだわり⑤』です。

 

 こだわり④は今回で終了です。少し長くなりましたがお付き合いありがとうございました。

 次回からは、こだわり⑤、苗づくりに関するお話になります。

皆様の御支援のおかげで

2019年はとても良い年でした

2020年も精進致しますので

どうぞよろしくお願い申し上げます

 

★稲作用語★ 米粒用語

『籾』(もみ)… お米の周りにまだ硬いからがついた状態の粒のことです。

『籾殻』(もみがら)…籾の周りの「から」の部分のことです。

『玄米』(げんまい)…籾から籾殻を取り除いた状態の米粒のことです。

『精米』(せいまい)…玄米の周りにある薄皮部や胚芽などを取り除く作業のことです。

『糠』(ぬか)…玄米(本当は穀物全般)を精米した際に取り除かれて出てきた、薄皮や胚芽の粉。

『白米』(はくまい)…玄米を精米し、糠や胚芽が取り除かれた白い米粒のことです。

     精米して出来た白米のことを、単に『精米』又は『精白米』と呼ぶこともあります。

『穂(稲穂)』(ほ/いなほ)…稲の花が咲き(そのうち写真で紹介します)

    その後『籾』になったものが房のようにいくつも連なって付いているものです。

 

 ブドウ(巨峰のような)と比べてみると、『房』→『稲穂』、『一粒』→『籾』、『外の皮』→『籾殻』、『皮をむいた中身』(果肉の周りに紫っぽい部分がついている)→『玄米』、『果肉の内側』(薄緑の部分)→『白米』といった感じです。あくまでも個人的イメージです。

★稲作用語★ 農作業用語 その他

刈り旬』(かりしゅん)… ちょうど良い刈り頃のことです。

『刈り遅れ』(かりおくれ)…「刈り旬」を逃して刈る時期が遅れてしまった状態のことです。

登熟』(とうじゅく)…本来しっかりと熟した「完熟」に向け熟していく過程のことですが、「完熟した状態」を「しっかり登熟した状態」のように、完熟と同義語的ニュアンスで使用することもあります。