こだわり⑦ 太陽をいっぱい浴びる植え方 の 1回目

⑦-① 天然鴨に選ばれた田

 世間では良い米を作るために『粗植』(間隔を広く植えること)が少しずつ広まりつつあります。『一般的な粗植』は田植え機で、植える『苗と苗の間隔を広めに設定』をして田んぼ全体でなんとなく密集を緩和させるようなものです。当家も試したことはありますが、効果はあれど『画期的な効果はあまり感じません』でした。

 

そんなんじゃダメだ!

 

 当家が今実施している『粗植』は大胆です。そんな間隔を広くするなんてケチな対策では画期的な変化は得られません。いっそ『丸ごと植えない』のです。当家では

 

『4条植えたら1条は全く植えない』

のです。

 

 ちょうど↓こんな感じです。(だから一目で分かるのです) 

 

 みんな最初は驚いていました。機械が調子悪かったの? 気でもふれたの? 大丈夫?もったいない! 馬鹿じゃない? やっぱりあいつは変人だ! etc.・・・

 みんな好き放題にののしっておられました。しかし当然『日当たりはすごく良い』です。ご存知の方もおられるかもしれませんが、水を張った水田はまるで鏡です。単純に『隣がいないからその分の光が当たる、なんてもんじゃない』んです。植えていない部分の水面が鏡となって『下から日光が反射し想像以上の日当たりが実現される』のです。

 

 その効果は上空から見ても明らかで、その証拠に、鴨、ウズラ、サギをはじめとした水鳥たちが自然に集まってきてくれます。彼らは上空から地上を見て、光がキラキラと反射している部分を水場だと認識して降りてくるらしいのです。『一般的な植え方』や、『一般的な粗植』の田んぼは夏になると稲の丈が伸び、鳥たちが降り立つスペースが上空からは確認できないのです。

 

 さらに深水管理、『大きなタニシ君』との共存、農薬使用量の減少などなどが効果を表して、自然が回復した当家の田んぼの中は居心地が良いらしく、カモさんたちは、いつも田んぼの中に出来た水路を泳ぎ回ってくれています。

これらの効果のおかげで、また雑草は抑制され、何とか手作業で取り除ける範囲になり、一部の田で田植え直後に少し除草剤を使う以外は

 

『夏場全ての田で全く除草剤を使用しなくてすむ』

 

ようになりました。

 

 次回は当家の植え方が生み出す『風通しの良さ』についてお話させていただきます。

 

★稲作用語★ 米粒用語

『籾』(もみ)… お米の周りにまだ硬いからがついた状態の粒のことです。

『籾殻』(もみがら)…籾の周りの「から」の部分のことです。

『玄米』(げんまい)…籾から籾殻を取り除いた状態の米粒のことです。

『精米』(せいまい)…玄米の周りにある薄皮部や胚芽などを取り除く作業のことです。

『糠』(ぬか)…玄米(本当は穀物全般)を精米した際に取り除かれて出てきた、薄皮や胚芽の粉。

『白米』(はくまい)…玄米を精米し、糠や胚芽が取り除かれた白い米粒のことです。

     精米して出来た白米のことを、単に『精米』又は『精白米』と呼ぶこともあります。

『穂(稲穂)』(ほ/いなほ)…稲の花が咲き(そのうち写真で紹介します)

    その後『籾』になったものが房のようにいくつも連なって付いているものです。

 

 ブドウ(巨峰のような)と比べてみると、『房』→『稲穂』、『一粒』→『籾』、『外の皮』→『籾殻』、『皮をむいた中身』(果肉の周りに紫っぽい部分がついている)→『玄米』、『果肉の内側』(薄緑の部分)→『白米』といった感じです。あくまでも個人的イメージです。

★稲作用語★ 農作業用語 その他

刈り旬』(かりしゅん)… ちょうど良い刈り頃のことです。

『刈り遅れ』(かりおくれ)…「刈り旬」を逃して刈る時期が遅れてしまった状態のことです。

登熟』(とうじゅく)…本来しっかりと熟した「完熟」に向け熟していく過程のことですが、「完熟した状態」を「しっかり登熟した状態」のように、完熟と同義語的ニュアンスで使用することもあります。

⑦-① 天然鴨に選ばれた田